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  • 執筆者の写真MarketingZENスタッフ

日立建機株式会社様 マーケティングZEN研修レポート

更新日:2023年5月23日

2023年5月10日、日立建機株式会社様にてマーケティングZEN研修を実施しました。

研修の模様をダイジェスト版としてお届けします。



己を見つめよう――ブランドの立ち位置を明確にする

前半は「己を見つめよう――ブランドの立ち位置を明確にする」と題し、マーケティングZEN共同発案者の宍戸幹央(鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社 代表取締役、一般社団法人ZEN2.0 共同代表理事)が登壇。パーパスやマインドフルネスの重要性についてお話しました。

 

宍戸幹央 

鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社 代表取締役

一般社団法人ZEN2.0共同代表理事


愛媛県新居浜生まれ、横浜育ち。

学生時代より仏教などの人間の意識に関する古来からの叡智と量子力学などのサイエンスとの融合に興味を持ち、個人的探求を続ける。東京大学工学部物理工学科卒。

同大学院修了後、日本IBMを経てアルーの創業期に参画。講師部門の立ち上げ責任者として企業の人材育成に幅広く関わる。 その後、鎌倉マインドフルネス・ラボを創業し、禅の精神やマインドフルネスを企業経営、組織開発、人材育成に活かす企業研修を展開。禅とマインドフルネスの国際フォーラム「Zen2.0」を共同代表として立ち上げ、毎年鎌倉の建長寺にて開催。共著に『マーケティングZEN』(日本経済新聞出版)。

 

禅とマインドフルネスが注目されている


宍戸が共同代表理事を務める一般社団法人ZEN2.0では、2017年より毎年鎌倉建長寺にて開催されている、禅とマインドフルネスの国際フォーラム「ZEN2.0」を主催(第4回、第5回はオンラインでの開催)しています。米国スタンフォード大学とのコラボレーションなど、年々禅とマインドフルネスの注目は高まりつつあります。


資本主義のリセット「グレートリセット」

世界経済フォーラム(WFF)から資本主義からステークホルダー資本主義へと転換する「グレートリセット」が発信されました。これまでは企業は会社と株主のやりとりで企業価値や株主の利益を最大化することを目的としていましたが、これからはステークホルダー主義、格差の是正や環境問題への貢献により長期的な成長を目指すことが求められているというのです。ステークホルダーには地域社会、環境、顧客、社員、株主、仕入先などが含まれます。



自己超越欲求の時代、キーレバーは「心」

企業の利益を最大化するための資本主義は、価値観、構想、使命からなっていましたが、これから目指すべき「志本主義」では信念、夢、志を常に意識、パーパス経営を展開していくべきでしょう。


マズローの承認欲求ピラミッドの頂点のさらに上、「自己超越欲求」には成熟社会的課題が存在します。物質的欲求、精神的欲求すら超えた自己超越欲求のキーレバーは「心」にあるのです。


マーケティングZENとは

マーケティングZENとは、宍戸と田中森士の2人が開発した、禅の思想に着想を得たマーケティング概念のことです。余分なものを手放し、自分の内側の声に耳を澄ませ、自分のつとめに専念する。パーパスとワクワク感を大切にしながら意思決定し続ける。これにより、共感の輪が自然と広がり、結果的に持続可能なビジネスが手に入ります。また、マーケティングZENが目指すのは、本質的な豊かさに満ちた世界です。



アメーバ型組織が注目されている

VUCA(VOLATILITY-変動性、UNCERTAINTY-不確実性、COMPLEXITY-複雑性、AMBIGUITY-曖昧性)の時代において、中央集権的なヒエラルキー型組織から、自律分散的なアメーバ型組織の可能性が注目されています。


「学習する組織――システム思考で未来を創造する」(英治出版)ピーター M センゲ著の学習する組織の5つの要素を宍戸が解釈しました。


  • 個人のワクワク感を大切に

  • 固定観念で物事を見ていることを忘れずに

  • 共感される目的を大切に

  • 対話で問題を乗り越えていく

  • 全てはご縁のつながりの中で生きている

共有ビジョン(会社のパーパス)の創造

会社のパーパスを明確にすることにより、「何を実現したいのか(ビジョン)」「何を大切にするのか(価値観、バリュー)」「何のために存在するのか(ミッション)」を明確にすることができます。


また、会社のパーパスと、属する個人のパーパスは重なりが必要です。「社会的責務・解決すべき社会課題(MUST)」「個人の内発的動機(WILL)」「強み(CAN)」の3つが重なる部分=Myパーパスが求められます。


SOMPOグループのパーパス経営

SOMPOグループでは会社の中に自分が属する状態ではなく、自分の人生のなかに会社が存在するという状態を理想とし、変革に取り組んできました。



マインドフルネスとは

成長を続けるGoogleはマインドフルネスの実践で有名です。マインドフルネスプログラムとして「サーチインサイドユアセルフ(Search Inside Yourself)“情報過多の時代、外側の情報を検索するのではなく、内側の情報を感じ取れ”というもの。


マインドフルネスとは、過去(への後悔)や未来(への不安)にとらわれず、評価・判断をせずに、「この瞬間に集中し、『今』の体験に意図的に意識を向け、『気づき』に満ちている(観察)状態」のことを言います。


マインドフルな状態になるために、瞑想やトレイルランニングなどの行為が有効です。


マインドフルネス実践の効果として、以下が挙げられます。


  • 集中力UPによる生産性向上

  • 不安感の軽減によるストレス耐性の強化

  • 怒りや恐れの感情への対処能力が高まる

  • 先入観のない見方による創造力の向上

  • 思いやりが深まることによる人間関係力の向上


マインドフルネスを漢字で表すと「念」。「正念場」人の真価や真の実力などが試される、非常に重要な局面を指す表現=平常心や正気な状態(マインドフルな状態)となります。


瞑想の実践

宍戸のパートの最後に、参加者全員で3分間の瞑想を行いました。全員が目を閉じ呼吸にのみ集中する、普段の研修やセミナーなどでは感じられない雰囲気に、会場の空気が引き締まりました。


<3分間の瞑想の様子>


手放してビジネスをスリムにしよう

後半は、「手放そう」をテーマに、田中が登壇。あらゆるものを手放すことで、整った持続可能なビジネスが実現することを解説しました

 

田中 森士

株式会社クマベイス代表取締役CEO

コンテンツマーケティングコンサルタント

ライター


熊本市生まれ、熊本市在住。

熊本大学大学院で消費者行動を研究した後、熊本県立水俣高校の常勤講師(地理・歴史)、産経新聞の記者を経て、2015年にコンテンツマーケティングのエージェンシー・クマベイスを創業した。海外のマーケティング系カンファレンスに通うとともに、世界中のマーケティング成功事例を観察。各地で得た知見をセミナーやワークショップ、講演活動、執筆活動を通し日本に伝え続けている。

Forbes JAPAN Web版、日経クロストレンド、Yahoo! ニュース個人などで執筆中。単著に『カルトブランディング』(祥伝社新書)、共著に『マーケティングZEN』(日本経済新聞出版)。

 

世界で注目されるマーケティングZEN

『マーケティングZEN』は、日本のみでの出版ですが、韓国、インドのメディアに取り上げられるなど、世界でもマーケティングZENの思想は注目されています。





ビジネスをスリムにしたアップル

倒産寸前だったアップル社。かつては多数の商品を展開していましたが、商品群を4つに絞る(スリムにする)ことで大成功しました。


赤字からV字回復したレゴ

レゴはビジネスの多角化で提供すべき価値を見失ったことで、一時約3億ドルもの赤字になります。しかし、提供すべき価値「組み立て体験」以外の事業を手放すことでV字回復しました。


何を手放すのか

手放すことで、本質だけが残ります。持続可能なビジネスが実現します。具体的に何を手放せばいいのか見ていきましょう。


【数字】

現代社会は数字だけが価値基準となってしまいました。たとえば「目標売上10億円」ではゴールがお金のみとなっています。数字は極めて限定的で、内発的動機(パーパス)とつながりません。


【機能】

日本の家電リモコンには多くのボタンがあるのに対し、米国Amazon fire stickのリモコンはシンプルです。複数の機能ではなく、必要な機能のみをシンプルに実装することで、ブランド力も高まります。


【情報】

『News Diet」(ロルフ・ドベリ著、サンマーク出版)によると、日ごろ自然に触れるニュースによって時間が奪われるだけでなく、不安が増長されるといいます。ニュースに触れる時間、そしてその後集中力を取り戻すのに要する時間が1日合計90分にもなり、1年間に約1カ月もの時間を無駄にしているという試算もあります。


【顧客】

時代と共にコミュニティーが小さく深くなっています。複数コミュニティーを狙ったビジネスは難しく、自社ブランドの価値が揺らぐ可能性があります。自社が狙っていくべきコミュニティーを見極め、大切な顧客と向き合うことが大切です。


マーケティングZENでの考え方

手放してビジネスをスリムにすることについて、マーケティングZENでは仏教の考え方をもとにしています。


【本来無一物】

・物事は本来、空(くう)であり執着すべきものは何一つない

→すべての執着を手放して初めて、 自分自身と向き合うことができる


【善悪二元論から距離を置く】

・「良い」「悪い」の判断は執着を生む

・ただただ、内発的動機(パーパス)を感じながら意思決定する


【放下着(ほうげじゃく)】

・すべての思い込みや執着を捨て去ること

・どんな時代でも生き残る、しなやかさと頑強さを備えた組織が実現する

・放下着を理解できた時、人は周囲が気にならなくなり、常にゾーンに入った状態となる。高い精神性とともに、他人と違ったリズムでビジネスを推進できる。


「買わせる」がゴールの戦略から「パーパスへの共感」がゴールへ

アパレルメーカーのBEEN LONDON は自社ホームページにサステナブルな取り組みと詳しく掲載しています。このパーパスに共感した顧客がファンとなっているのです。


ドイツのメーカーeverdropも同じくホームページへ自社の環境への取り組みについて調査した報告を掲載。多くのファンを獲得しています。


マーケティング戦略立案時に多く用いられるカスタマージャーニーマップのゴールは「購入」ですが、「パーパスへの共感」をゴールにすることがマーケティングZENにおける戦略です。


「自分を見つめる時間の大切さがわかった」


両名のセッションを終え、参加者からは「自分を見つめる時間の大切さがわかった」「手放すことでパーパスを感じられそうだ」という声があがりました。


田中は「パーパスを感じることで、自然とビジネスモデルやマーケティング戦略はスリムになり、自然とビジネスは適切なサイズに収まる。ぜひ販売がゴールのビジネスから、パーパスへの共感がゴールのマーケティング戦略へ転換のきっかけとしてほしい」と締めくくりました。


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